事業承継の構成要素(人(経営)の承継)

人(経営)の承継とは、後継者への経営権の承継を指します。会社形態であれば代表取締役の交代、個人事業主であれば現経営者の廃業・後継者の開業によるものになります。現経営者が維持・成長させてきた事業を誰の手に委ねるべきか、適切な後継者の選定は事業承継の成否を決する極めて重要な問題となります。
特に、中小企業においてはノウハウや取引関係等が経営者個人に集中していることが多いため、事業の円滑な運営や業績が経営者の資質に大きく左右される傾向があります。
親族内承継や従業員承継において、後継者候補を選定し、経営に必要な能力を身につけさせ、保有する知的資産を含めて引き継いでいくには5 年から10 年以上の準備期間が必要とされ、これらの取組に十分な時間を割くためにも、後継者候補の選定は出来るだけ早期に開始すべきです。
また、近年は親族の中から後継者候補を見つけることが困難な企業も増加しており、会社や事業の社外への引継ぎ(M&A等)が、事業承継の有力な選択肢の一つとして認識されてきています。事業承継の検討に際しては親族内・従業員承継に向けて後継者の選定を行うだけでなく、状況によってはM&A等による外部の第三者への事業承継の可能性も視野に入れて検討を進めるべきといえます。